
こんにちは、レイです。
今回は未経験からSES企業に入社し、
10年近くIT業界で働いた私がSESに入社して後悔した話をご紹介します。

SES企業へ入社はやめとけ!なども言われたりします。
実際にSESで10年ほど働いた私が入社を後悔したことをご紹介します。
SES企業とは?
SESとは、System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略で、自社で開発はせず、開発を行っている Sler などにエンジニアを派遣する人材サービスを行っている企業をさします。
詳細は以下の記事に記載しているのであわせて見てみてください!
上記関連記事にも記載しましたが、SESのメリットとデメリットは以下になります。
メリット
- 未経験でも採用されやすい
- さまざまなプロジェクトを経験できる
- 人間関係が楽
デメリット
- 現場ガチャの可能性
- スキルアップが難しく、自己研鑽が必要となる
- 帰属意識が持ちにくい
SIer などの上流工程より仕事が SES に降りてくるので、IT初心者でもできる仕事があるため、未経験者でもIT業界へ挑戦しやすい環境が SES企業にはあります。
筆者がSESに入社をして後悔したこと


私はインフラ系、主にネットワークの業務をやっていましたが、
IT業界、SESについて調べもせず転職したことを後悔しています。
SESに入社して後悔したことは以下4つです。
- 客先常駐という働き方
- 現場 (案件) ガチャ
- 客先ごとに変わる働く環境
- 自社の従業員間のコミュニケーションをはかる会議
以下に実際に私が感じた後悔をまとめました。
客先常駐という働き方

そもそもIT業界は客先常駐での働き方が多いです。
自社のオフィスで働くエンジニアの多くが、SIerと呼ばれる企業に勤めている人です。
客先常駐の話をする前に簡単にIT業界の構造のお話をします。
SIer とは「システムインテグレーター (System Integrator) 」の略で、
システム開発のすべてを行う受託企業であり、コンサルティング~システム設計、構築、運用、保守まで請け負います。
IT業界の構造はピラミッド式で SIer などの大手企業から、二次受け、三次受け・・・と下請け構造になります。
プロジェクトの規模にもよりますが、二次受け、三次受け・・・と下に仕事が降りてくるのがSESやフリーランスのエンジニアです。
SESはピラミッド構造の下に当たる部分の仕事が多く、ピラミッドの上にいる SIer から見るとめんどくさい上、利益の出にくい仕事がSESに降りてくるのです。
インフラエンジニアであれば、運用や保守といわれる業務にあたります。
イメージしやすいのは、データセンターなどで24時間システムを監視する業務です。
運用や保守という仕事は、比較的誰でも出来る仕事なので、SESは未経験者を採用できるのです。
そして、客先常駐という働き方ですが、自社 (同じSES) のメンバーがいるかいないかで精神面が大きく変わります。
同じSESのメンバーがいるパターン
元請や上流工程の企業より、プロジェクトの一部分すべてをSESへ委託する場合は、SESより複数名のエンジニアが客先へ派遣される場合が多いです。

こういった場合は、同じ会社のメンバーと働けるので孤独感を感じたり、
自社 (SES) に対する帰属意識が薄くなることは少ないです。
ひとりで客先常駐するパターン
元請や上流工程の企業が担当しているプロジェクトにエンジニアを必要とされる場合、客先へエンジニアのみ派遣されます。

この場合、複数名派遣されればまだいいのですが、ひとりで派遣されることも多々あります。
そうなると孤独感を感じやすく、帰属意識が薄くなります。
違う会社の人と働くことになるので、より気を遣わなければならず、精神的にも辛くなります。
私はどちらの環境でも働いたことがありますが、やはりひとりで派遣されるプロジェクトはきつかったです。
このように客先常駐で働く、しかもひとりで派遣される可能性があるということを知らずにSESへ転職したため、この働き方に慣れず後悔することが多々ありました。
現場 (案件) ガチャ

"現場ガチャ" とは どんな現場に派遣されるか運任せになってしまう状況のことをさします。
SESではタイミングや現場の状況により、必ずしも自分が希望する条件の現場に派遣されるとは限りません。
私自身、ネットワークの経験を活かしてスキルアップを目指し、別のプロジェクトへ派遣されることを希望していましたが、会社都合でサーバーの案件へ派遣されたことがあります。
やりたい業務とは異なったため、仕事に対するモチベーションが下がってしまうこともありました。
客先ごとに変わる働く環境

派遣される現場が変われば、環境も当然変わります。
2つの面での環境が変わります。
物理的な変化
現場が変われば、通勤経路、就業時間もかわります。
そして現場の雰囲気に合わせた服装や休憩のルール、細かいところまで派遣先に合わせる必要があります。
また、貸し出されるPCのスペックやデスク、椅子も異なり、地味にストレスでした。
椅子のひじ掛けの有無やデスクの広さ、引き出し、ロッカーなど小さなことですが環境が変わると、現場ごと比較してしまいストレスでした。
私が一番最悪だと感じた現場は、頻繁に外出がある業務で2キロもあるPCを支給され外出のたびに持ち出す必要があったことです。
しかもオフィスで働くときは、なぜか派遣にだけモニターが用意されてなく、作業効率が悪くとにかく働きづらかったです。
自社で働くのであれば、こういった不満も言えるのですが、客先にはなかなか言えないです。
契約による作業時間の変化
前述の関連記事にまとめていますが、SESは ”作業時間” に対して報酬が支払われます。
契約の作業時間については、案件ごとに異なります。
例えば、1日8時間勤務の案件で、
支払われる報酬に対する1ヶ月の作業時間が140~160時間だとします。
この場合、客先側としてはSESのエンジニアに160時間に収まる作業をしてもらえれば、追加で支払う報酬はありません。
もし160時間を超えた場合は、追加の報酬を支払う必要があります。
一方で、1日8時間勤務、1ヶ月で150~170時間分の報酬が支払われる案件があるとします。
150時間を8時間で割ると、19日勤務することになります。
もし1ヶ月の稼働日数が18日だった場合、144時間しかならないので、不足の6時間分を残業でカバーします。
業務に追われて残業があればよいのですが、残業するほどの仕事がない場合、ただ何もせずに残業時間を稼ぎ、不足時間をカバーする必要があります。
このように現場によって作業時間が異なるので、現場ガチャと言われ、環境の変化に順応するのが大変というのがSESのきついところであります。
有給や突発休取得の場合、報酬に支払われる作業時間の下限を超えるように1ヶ月の稼働時間を考えなければいけません。
この現場次第で勤務時間が変わるのに自分の給料には反映されない仕組みが理解できず、SESを辞めたくなるきっかけでした。
自社の従業員間のコミュニケーションをはかる会議

SES企業では従業員がさまざまな現場に派遣されているため、社員間でのコミュニケーションがほぼないです。
そのため、月1回の頻度で所属部署による会議を実施したり、年に数回、休日に会社全体で集まって会議をするSESもあります。
会議といっても、普段の仕事では関わらないエンジニアとディスカッションしてコミュニケーションをはかったり、会議後に飲み会を開催することが多いです。
人見知りで人と話すのが苦手な私にとっては、貴重な休日や業後の時間がこういったことに消えることが嫌でした。
それでもIT未経験で飛び込めたSESには感謝することもある!

ここまでSESに対する後悔を書いてきましたが、SESに入って良かったこともあります!
- PCスキルがあがった
- 年収アップをすることができた
IT未経験で、ITに苦手意識があった私が10年ほどIT業界で働くことができたのは、SESでさまざまな現場で経験を積み、エンジニアとして成長することができたからだと思います。
最初の頃は資格取得に励み、エンジニアとしての価値を上げる努力をしていましたが、徐々に自分がエンジニアとして働くことが想像できなくなり、現在はIT業界を離れています。
それでもIT業界で培ったスキルを活かして新たな仕事に就くことができました。
まとめ
今回はIT未経験の私が、SES企業に入社し感じた後悔をまとめました。
SESに入社前に知るべきだったと、私が後悔したことは以下の4つです。
- 客先常駐という働き方
- 現場 (案件) ガチャ
- 客先ごとに変わる働く環境
- 自社の従業員間のコミュニケーションをはかる会議
SESは一概に悪とも言えず、未経験者にとってはIT業界へ挑戦できる入口であると思います。
ただ、SES企業は世の中にたくさんあるので、良い企業に出会えるようしっかり調べることをおすすめします。
私自身、良く調べずにSESに入ったことを後悔しましたが、たまたま入社したSES企業が大手企業のグループで、安定した企業であったことは良かったです。
これからSES企業へ転職を検討されている方、IT業界へ挑戦しようとしている方はSES、IT業界に入ることがゴールではなく、自分がどういったエンジニアになりたいのか、具体的な将来像を持ったうえで、挑戦することをおすすめします。
IT業界は学歴など過去のバックグラウンドは関係なく、自己研鑽が出来る人が活躍し、生き残る世界だと私は思っています。
私のようにIT業界へ転職し、後悔する人が少なくなるよう、この記事が誰かの参考になれば幸いです。